遺産相続で借金を背負ってしまうかもしれない?

2016.9.10

遺産相続という言葉は、遺産が残っている場合を想定している言葉です。ただ、法律的に「相続」という概念は、被相続人(亡くなった方)が財産(積極財産)を持っている場合だけではなく、負債・借金(消極財産)を負っている場合にも問題になります。遺産相続の問題を正確に理解するためには、マイナスの場合、つまり、負債・借金が残っている場合も含めて理解することが重要です。

具体例で説明すると、被相続人Aさんには、預貯金が5,000万円ありましたが、個人事業を営んでいたことから、借金が3億円ありました。このような場合、遺産相続のプラスの側面しか知らないと、5,000万円を相続できると思って単純承認(被相続人の財産及び負債をシンプルに相続すること)をしてしまいがちです。しかし、単純承認をすれば、5,000万円の資産はもちろん相続できますが、3億円の借金(債務)も相続することになり、結局、2億5,000万円の赤字になってしまいます。 このようなケースは、弁護士に依頼をして、相続の開始を知ったときから3か月以内に、相続放棄という手続を家庭裁判所で行うことによって、3億円の借金を背負わなくても済みます(もちろん5,000万円の財産も取得できませんが)。

相続放棄という制度の理解をしっかりすることが、まずは自分の身を守るという意味で重要です。遺産相続の場面では、どうしても目先のお金に集中してしまいがちですが、まずは被相続人の借金の有無を調べて、負債を相続してしまう可能性がないかを調べることが重要でしょう。

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